ワイヤーネット工法とは?
斜面崩壊抑止効果も高く景観保全も可能にしたワイヤーネット工法!
これまで斜面崩壊対策として多く行われてきたのはコンクリートで斜面を固める工法でした。ですがこれらの工法は斜面の木々を伐採しコンクリートで固める為、景観を破壊する問題がありました。
そこで、現在注目されているのが、景観保全と斜面崩壊抑止を同時に可能にしたワイヤーネット工法です。
ワイヤーネット工法概要
鉄筋挿入工により地中にアンカー(補強材を)造成しその上に受圧板をかぶせます。さらにアンカーと一体化した受圧板同士をワイヤーで連結させワイヤーネット体にする事でこれらの相互作用により斜面崩壊の抑止効果を高めます。
また、木々の間に受圧板を設置する事が可能なので、木々を伐採する必要がなく景観が守られます。
断面図
アンカーと受圧板による抑止力が主であるが、ワイヤーネットを追加設置することにより抑止効果の向上と中抜け防止になります。
ワイヤーネット工の仕組み
※アンカーの打設角度は地表面に直角とする。
ワイヤーネット工の効果検証実験
ワイヤーネット工の需要は、自然斜面の保全、自然環境負荷の低減、斜面安定性の向上の観点から年々高まっています。そこでユーザーにより一層理解を深めて頂くため、効果の検証実験を行いました。
実験方法
アンカー受圧板にワイヤーネットを設置した斜面と、ワイヤーネットを設置していない斜面の2つの模型に同時に振動を与えて崩壊させ、その事象を比較する事により効果を検証するものとした。
※この実験を同条件で3回実施する。なお、斜面模型は1/10スケールで作成する。
・斜面勾配:45°(1:1.0)・土質:真砂土
・表土層:7.5cm
・受圧板+鉄筋(アンカー)ピッチ:20cm
実験結果
ワイヤーネットなしに対しワイヤーネットありの方が実に約2倍の打撃振動に耐える結果となりました。また崩壊の違いも顕著であり、前者は小さな亀裂が生じた直後に完全崩壊した後者は亀裂が大きなものに発達した後、完全崩壊に至りました。
以上の事象は3回の実験ともほぼ同様な結果が得られました。こうしたことから、ワイヤーネット工を併用すると崩壊抑止向上に大きな効果があると評価されました。
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